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為替勝力 フィリップFXブログ

今夜のECBに「期待」より「警戒」

 3月2日に行ったバーナンキFRB議長の議会証言は、「2011年は昨年よりもやや速いペースで回復する可能性が高い」と、市場の予想通りに結構楽観的な経済見通しを表した。また懸念された原油価格の上昇によるインフレリスクについて、「今のところ回復もしくは全般的なインフレ安定の維持に重大なリスクを及ぼしていないが、一段と著しく上昇が見られる場合、受け止める必要がある」と、インフレ抑制に前向きな姿勢を示したが、当面のインフレが安定しているし、QE2の早期終了の可能性に言及しなかったことで、今回の議会証言が総じてドルに有利な材料と見られず、積極的なドル買いに繋がらなかった。やはりターゲットの2%に達するまで何年もかかりそうな米インフレ率に比べ、2月ですでに2.4%に達しているユーロ圏のインフレ率が関心を集める。バーナンキ総裁の発言はユーロ圏のインフレ期待の前で無力を感じられ、ユーロが引き続きドルを圧迫する雰囲気だ。
 ところが、ECB金融政策の行方がはっきりするまでユーロの上昇が続くのも難しいようだ。今夜ECB金融会合とトリシェ総裁記者会見が予定されており、市場の予想通りにインフレ期待を高める内容が見られるとユーロ買いが加速するだろうが、原油価格の上昇でECBがインフレ警戒姿勢を強める見込みにより、発表の結果はこれまでユーロの堅調な動きに織り込まれた可能性もあるので、発表後に市場がどこまで反応するかは予測できない。逆にインフレに関する文言は予想より強硬ではない場合、市場に失望感をもたらし、ユーロが反落する可能性が高いので要注意だ。そもそも欧州は単一経済ではなく、ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペインなどの周辺国の経済が利上げを容易に吸収できないとの見方もあるので、今夜のECBに期待しすぎずに、発表の内容が明らかにされてから市場がどう反応してくるかを見極めることは重要だ。

2011.3.3日 11:25更新

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