為替勝力 フィリップFXブログ
スマギ専務理事よりトリシェ総裁を信じよう
トリシェECB総裁が今月3日の記者会見で「金利が適切だ」とコメントしたことで利上げ期待が大きく後退しユーロも急落したが、ECBのスマギ専務理事は18日、インフレ対処に必要ならECBが利上げを用意すると発言したことで、利上げ期待が再燃しユーロが再度上値を伸ばす展開となっている。
しかし当面ユーロは堅調だが、あれだけタカ派的な発言をしたわりにこの程度のユーロ買いに止まるとは、やはり欧州債務問題への懸念が依然強く、ユーロがまだ市場の信頼を取り戻していないことが考えられる。それに1ヶ月も経っていないところ、同じECBの要人としてまったく異なる見解を示したことにより、ユーロ圏金融政策の行方がますます不透明になってきた。
利上げに着手するには、まず支援策を打ち切らないといけないのは一般の認識だが、ECBが債券購入を再開した時点で、利上げはユーロ圏にとって適切ではないことが明らかだ。確かにインフレの状況からすると利上げの用意があるかもしれないが、最近ECBの行動を見てみると、1月に1億4600万ユーロの国債購入に続き、2月にまた7億1100万ユーロの国債を購入した。利上げのところか、量的緩和が拡大する一方だ。だからスマギ専務理事のタカ派的な発言より、トリシェ総裁の「インフレは一時的に更に拡大する可能性がある」→「重要なのは短期的なインフレではない」→「金利は引き続き適切」の脈絡に沿って判断し、迂闊にユーロを買わないほうがいいと思う。
2011.2.22日 11:30更新
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