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為替勝力 フィリップFXブログ

ユーロを圧迫する材料ばかり

 先週からドル買い・ユーロ売りの流れが変わっていないようで、ユーロが一時に1.35を割れた。この辺で投資家らは一回ユーロを買い戻す可能性があるが、ユーロにとってリスクの高い材料が今週も結構あるので、ユーロが堅調に回復するのは難しいと見られる。
 中東情勢が引き続き混乱であり、独裁政権の打倒に成功したエジプトの影響を受け、反政府デモが14日に周辺諸国に拡大した模様だ。報道により、イランとバーレーンでデモ参加者に負傷者が続出し、それぞれ一人死亡した。イエメンでも4日連続にデモが行われ、すでに警官隊と衝突する事態になっている。地政学リスクが今後も市場に影響する見込みで、ユーロが買われにくい。
 もう一つユーロを圧迫する材料は、国債市場でドイツ連邦債と周辺国国債との利回り格差の拡大だ。10年物でポルトガル国債とドイツ連邦債の利回り格差は13bp拡大し418bpとなり、イタリア国債とドイツ連邦債との利回り格差が4bp拡大し153bpとなる。ポルトガル国債利回りの急上昇により、ECBが先週国債購入を再開したとの見方が広がっており、ユーロ圏で金融緩和の長期化が予想される。
 一方、ドイツ連邦銀行総裁ウェーバー氏は12日、「総裁が少数派になってしまうとECBの信頼を損なう」という理由で、ECB総裁候補を辞退した。同氏がECBに数少ない金融引締め派の一人として、次期のECB総裁になれば早期の利上げが期待できると言われてきたが、今回の候補辞退により利上げ観測がまた後退した。
 要するに、金融引締めがユーロ圏にとってあまり現実的な話ではないし、EU諸国の国債利回りの格差もまた拡大する可能性もあるので、ユーロ買いに依然高いリスクが伴う。テクニカル的には当面ユーロのショートカバーの動きが強まっているが、ファンダメンタル的要素の支援がなければ下落する流れは変わらないだろう。

2011.2.15日 10:06更新

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