為替勝力 フィリップFXブログ
ユーロドルに調整の圧力が強まっている
消費者物価指数が目標の2%を超えたことで、ECBによる利上げ観測が前進しており、トリシェ総裁が「物価の安定が優先目標だ」と、短期的なインフレリスクに強い警戒感を示したことでユーロの堅調が未だに続いている。ところが昨日からユーロに不利な材料が相次いだのでユーロの上昇が一旦調整に入る可能性が高まっている。
不利な材料を挙げるとまず、ドイツ政府当局者がEFSF(欧州金融安定化ファシリティ)によるユーロ圏国債の購入に反対の意向を表明したことだ。ドイツ政府が強硬な姿勢を和らげない限り、債務危機がポルトガルやスペインに拡大した場合のEFSFの対応能力が懸念され、ユーロへの不信感が消えない。
次は格付け機関がアイルランドと混乱中のエジプトに対する格下げだ。格付け機関ムーディーズは、「エジプト国内の5行を格下げ、更なる格下げも視野に入っている」と発表した。一方、アイルランド中銀が政策金利を4.50%から4.25%に引き下げたところ、格付け機関S&Pはアイルランドの長期格付けを「A」から「A-」に引き下げ、短期格付けを「A-1」から「A-2」に引き下げた。
指標発表では、雇用統計の先行指標と言われるADP雇用統計は18.7万人と予想の14万人を上回ったので明日の雇用統計への期待感が高まった。これはドルに有利な材料と言えよう。
要するに当面ユーロを支える材料はユーロ圏のインフレ期待だけで、今夜のECB金融会合で、長期のインフレに対する見通しは何も変わらない場合、利上げ観測が大幅に後退することにつながり、ユーロが調整に入るきっかけとなるだろう。
2011.2.3日 9:22更新
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