為替勝力 フィリップFXブログ
ドル買いのリスクについて
昨日発表した米12月ADP雇用統計は事前予想を大きく上回ったため、今夜の雇用統計もかなり良い結果を収めるではないかとの期待が高まり、ドルが急伸した。ところが期待が高まるほど、逆に失望売りのリスクも高くなるので予想より弱い数字になる場合ドルの急落に警戒しなければいけない。また発表前にドルが買われた場合、予想通りの数字になっても、織込み済みで発表後に利益確定が先行することに、結局ドル売りに繋がる可能性がある。雇用統計が予想を著しく上回らない限り、ドルが引き続き堅調をキープするのは難しい。
中長期的にもドルが安心で買える状況ではないようだ。昨年の米中間選挙で野党の共和党が下院を奪還し、オバマ政権与党の民主党は歴史的な大敗を喫した。従って、景気回復が依然弱い背景に、政策面で両党による意見の分岐や論争が長引いたら間違いなく経済成長の重石になる。
もう一つ大きなリスクは膨張し続ける米国の財政赤字だ。2010年11月まで米財政収支は26ヶ月連続の赤字を記録した。こういう状況の中、ガイトナー米財務長官は6日に連邦政府の債務残高について、「早ければ3月末に法定上限の14兆2900億ドルに達する」と示した。上限に達すると国債の追加発行ができなくなり、デフォルトの可能性もあるので、世界がサブプライムローンより深刻な危機に直面するかもしれない。
当面連邦債務が国内総生産に対する比率がすでに90%前後に達している。そもそも日本の公的債務も凄まじい規模になっているが、債券を持っているのは大体日本人なので一先ず安心だ。しかし米国の場合債券の5割近く外国人が所有しており、市場がいつ大混乱に陥ってもおかしくないので、ドル買いに巨大なリスクが伴う。
2011.1.7日 9:26更新
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