為替勝力 フィリップFXブログ
年末にポンドは一番大変だ
12月に入ってから、イギリスは100センチの降雪と毎日の氷点下の悪天候を迎えた。悪天候は鈍化しつつあるイギリスの経済に新たに打撃を与え、ポンドへの不安情緒を強めた。
保守党=自由党連立政権による財政緊縮法案の可決や、イギリス経済が予想より早く回復していることで、ポンドが11月までの数ヶ月で投資ターゲットとして選ばれた。しかし悪天候の連続や、欧州債務危機がイギリス銀行へ飛び火する可能性などにより、ポンド堅調のオーラが消え始めた。
まずは悪天候。強烈な降雪は交通機関の通勤や買い物に不便をかけ、この年末に10数億ポンドに及ぶ損失を招いた上、盛り上がろうとしたホリデーシーズンの買い物や行事を台無しにした。
次は欧州の債務危機。イギリス銀行が保有する欧州ソブリン債の規模は比較的に小さいため、ユーロ圏債務危機から大した影響を受けていないと言われてきたが、BOEは17日発表した「金融安定化報告」で、イギリス銀行でEU諸国の個人や企業に対する債権は巨額に上がり、ユーロ圏債務危機の長期化で銀行の損失が急増する可能性があるため、銀行が経営悪化のリスクに直面しているとの認識を明らかにした。
また今日の指標発表もポンドを裏切った。イギリス第3四半期のGDPと経常収支がいずれも事前予想を下回る結果になり、再び景気回復の鈍化を示唆した。
ところでCBIの調査レポートにより、BOEがインフレ抑制のためにこれから6ヶ月以内に利上げする可能性があるとのことだ。金融引締めは一国の通貨にとって大きな支援材料になるのでポンドの先が決して暗いものではないが、不利な材料の連発に市場流動性の低下を加え、ポンドが平穏に新年を迎えることができないようだ。
2010.12.22日 11:36更新
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