為替勝力 フィリップFXブログ
格付け機関の発表に要注意
通常、材料と見られやすいのは経済指標、要人発言、金融政策及び金利の動向だが、最近欧州財政問題の深刻化により、格付け機関の発表や声明が一番注目される材料となっている。
昨日のNY時間、格付け機関ムーディーズによる「ギリシャのソブリン債格付けを引き下げる可能性がある」との声明により買い戻されたユーロが急落した。
15日の欧米時間に、格付け機関ムーディーズが、「スペインの格付けを引き下げる方向で見直す」と発表した。もしスペインがEUやIMFの支援を求めたら、その経済規模により欧州債務危機が更なる高水準に到達することが間違いないのでユーロが大きなダメージを受けた。スペインの格下げは支援を求める可能性を示唆するので、市場がユーロ売りでこの発表に反応するのは当然のことだ。
同じ日にS&Pが政局の混乱を背景に国債利回りの上昇圧力にさらされていることが理由に、ベルギーの債券格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。こちらもまた、ユーロの重石になった。またムーディーズによる「イギリスの地方自治体は予算削減とガバナンスの変更によりリスクに直面する」との声明でポンドが急落した。
もう少し遡ると、13日に格付け機関ムーディーズが米国の「AAA」格付けに対し、「税制パッケージは向こう2年間「ネガティブ」の可能性」を高めると声明したことでドルが急落した。
9日NY時間、格付け機関フィッチがアイルランドの格付けを「A+」から「BBB+」に3段階引き下げたことでユーロが急落した。
要するに、12月の為替市場がホリデーシーズンの関係で大した動きをしていないが、格付け機関が何か発表したら値動きが荒くなる。
木曜日から金曜日にかけてEU首脳会議が行っているが、今頃格付け機関の発表と比べたら無力を感じる。欧州財政問題の解決に繋がる有効な措置を出さない限り、市場が反応しないのは決まりだね。クリスマスを前に、市場がもっと薄くなり、来週からテクニカル分析がますます当たらなくなるので、為替は格付け機関の声明に合わせて動く可能性が非常に高い。
2010.12.17日 8:36更新
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