為替勝力 フィリップFXブログ
ユーロに悪い材料の連発
アイルランド労働党が「12月15日に投票する時に、EUとIMFによる850億ユーロの支援措置に反対票を投じる」と声明した。同じ日に格付け機関フィッチがアイルランドの格付けを「A+」から「BBB+」に3段階引き下げた。アイルランドの格下げが予想内のことだが、3段階一気に下げたのはサプライズだ。他にも格付け機関ムーディーズによる「ポルトガルの10銀行の格付けを引き下げる可能性がある」との声明が確認され、木曜日にユーロに悪い材料が相次いだ。
先週米雇用統計がきっかけでユーロが強い反発を見せたが、ユーロ圏の債務危機が根強いことで、ユーロが間もなく下落を再開した。来週の水曜日に、もしアイルランドで支援策が可決されなければ、債務危機への不安が更に強まるから、ユーロドルがまた先週の安値(1.2970)が試しにいくだろう。
ドイツのコメルツバンク(Commerzbank)のエコノミストのカレン・ジョンズが、ユーロドルが当面1.3150付近でサポートされるが、次のサポートラインが1.3060近辺にあり、割れると1.2970へ発進するだろうと判断している。またパイオニア・グローバルアセットマネジメントのジョルダーノ・ロンバルドが来年ECBの債券購入と資金提供によりユーロドルが少なくとも1.25まで下落するだろうと、より悲観的な見解を示した。
最新データにより、アイルランド国債の5年ものCDS※スプレッドが13bpの拡大で545bpに、ポルトガル国債5年ものCDSスプレッドが17bpの拡大で450bpに、スペイン国債だと20bpの拡大で325bpに、イタリア国債だと12bpの拡大で206bpになった。
一方、ゴールドマン・サックスがユーロドルの6ヶ月見通しを1.50→1.45へ、12ヶ月見通しを1.55→1.50へ、それぞれ500ポイント下方修正した。またHSBCホールディングスが来年第1四半期ユーロドルの見通しを1.25へと大幅に下方修正した。
※CDSとは、クレジット・デフォルト・スワップの略称で、債券を持つ金融機関がプレミアムを支払う(受け取る)ことにより、債務不履行が起こった時に損害額を保証してもらう(保証する)取引である。CDSスプレッドの拡大により保証コストが高くなる。
2010.12.10日 9:07更新
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