為替勝力 フィリップFXブログ
ドルよりユーロのことが心配だ
先週金曜日米雇用統計の悪い結果がきっかけで、ドルが全面安の展開になっている。更にバーナンキFRB議長がインタビューで、「6000億ドル以上の資産買い入れは可能」とコメントし、QE3(追加緩和第3弾)の可能性を示唆した報道が嫌気され、ドル売りが加速している。従って10月末にスタートしたドルの反発が予想より早く終ったように見えた。
12月に入ったら市場が段々薄くなるので、テクニカル分析は当てにならないことになるが、これまでのチャートを確認したら、ドルがユーロに対し、11月に1.43の手前から一気に反発し、1.30台を割れた場面も見られたのに、円に対し85円もタッチできず、結局84円台前半で引き返された。ユーロドルの下げ幅の9%に対し、ドル円の上げ幅がただの3%だった。
これほど差が大きいことは、別に円が強いわけではなく、ユーロが弱いからだ。欧州財政問題のドミノ効果、更にEU加盟国がユーロを離脱する可能性に比べたら、米国の回復鈍化や追加緩和の拡大は差ほど深刻ではないと感じる。
アイルランドの債務危機から他のEU加盟国への飛び火により、スペインへの支援がすでに視野に入っている。それにアイルランドは5年以内にユーロを離脱するとの見方も広がっているようだ。一方の米国は、たとえ本当にバーナンキ議長の指摘したように、「失業率が通常状態に戻るには後4-5年かかる」としても、ユーロの分裂よりインパクトが遥かに小さい。だから中長期的には、ドルがユーロに下落し続けることは考えにくく、ドル安よりむしろユーロ安の方が心配すべきだ。
2010.12.7日 3:41更新
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