為替勝力 フィリップFXブログ
ユーロの試練が続く
昨日、アイルランドが2011年から14年の4年間で総額150億ユーロ規模の財政再建計画を発表した。具体的にいえば、100億ユーロ規模の歳出削減や公務員の削減、50億ユーロ規模の税率の引き上げやその他の歳入増などが予定され、GDPに対する財政赤字の比率を2014年まで3%以下に抑える目標だ。
この報道を受けユーロが素早い上昇を見せたが、米経済指標の発表でまた下落に転じ、上げ幅をほぼ全部吐き出した。更に格付け機関S&Pがアイルランドの長期ソブリン信用格付けを「AA」から「A」に、短期信用格付けを「A-1+」から「A-1」に引き下げたことが嫌気され、ユーロドル相場が9月22日以来の最安値(1.3285)を記録した。
当面ユーロが圧迫される原因はもはやアイルランドの問題だけではなく、市場の関心がポルトガルとスペインの財政状況にも届いている。投資者らがポルトガルやスペインがEUに支援を要請する可能性が高いと思い込んでいるため、すでに両国の国債を売却し始めた。従って、ECBが銀行システムの流動性を確保するための資金供給策を解除できなくなり、まして解除するタイミングも予想の付かないことになってしまった。
第2四半期ドイツのGDPが2.2%と、東西ドイツが統一して以来の最高成長率を記録したので、ドイツとしては、非正式的政策を一刻でも早く解除してほしいところだ。しかし、ギリシャ、アイルランド、そしてポルトガル、支援が必要とするEU加盟国が相次いでいる。そしてユーロ圏にインフレリスクとデフレリスクが並存しており、EUが今までにない苦境を直面している。
2010.11.25日 9:40更新
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