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米国の追加緩和がG20の対立をもたらす
先週米国が6000億ドルに及ぶ追加緩和策を発表した。流動性が実際に低くないので、追加緩和が過剰な資金供給となり、世界経済の不安定を招き、資産バブルが誘発する可能性が非常に高い。各国から厳しい批判を受けている中、今月のG20サミットでは米中の対立はもちろん、米国と新興国全体との対立が避けられなさそうだ。
今回発表した追加緩和の目的が内需を拡大すると米国が主張しているが、本当の狙いはドル安だ。米国の貿易収支は、日本やドイツや中国など輸出で強力な国に圧迫されている。品質では日本やドイツに劣り、価格では中国に勝てない現状の中、米企業の競争力を高める唯一の方法がドル安だ。トリシェECB総裁がFRBによる国債の追加購入がドル安を追求するものではないとの認識を示したが、米国がドルの基軸通貨としての役割を利用し、ドル安を誘導していることしか考えられない。
中国人民銀行が人民元相場の弾力性を高めたが、基本的に対ドル固定相場制が続いているので、ドル安が進んだら人民元も安くなるのでインフレ懸念が高まっていく。中国がバブルを防ぐために、金融緊縮政策を取らざるを得ないので結局人民元の切り上げを促す。
もちろん中国だけではなく、商品価格の高騰とホットマネーが新興市場に大量に流入することにより、全ての新興国がインフレリスクを直面している。各国が米追加緩和への反撃に乗り出したら、保護主義や通貨の切り下げ競争がまた活発化するに違いない。
2010.11.10日 10:35更新
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