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為替勝力 フィリップFXブログ

コメント合戦により介入の行方は?

 水曜日の市況だが、ADP雇用統計の悪い結果や、ガイトナー米財務長官とゼーリック世界銀行総裁による通貨政策への指摘を背景に、ドル円が再度83円を割り込んだ。
 ゼーリック世界銀行総裁が「円に対する介入は流動性を抑制するための行動と見なす」と日本当局を直接に批判した。一方、ガイトナー米財務長官が通貨の切り下げ競争については「他の国が同様の手法を取ることを助長する」とコメントし、日本の為替介入を批判している風に見えないものの、G7の前に日本がどうしても欧米側の気持ちに配慮しなければならない背景に、今週中に介入が難しいという見解が広がっている。
 それに木曜日、ドル円が軟調に推移しているにもかかわらず、桜井財務副大臣が「経済対策を受けて為替がどう振れるかは市場の判断」とコメントした。この無神経な発言は円買いに安心感を与えたので、ドル円の急落をもたらし、危うく82円を割り込むところだった。
 それに対し、野田財務相が「必要な時に断固する措置を取るというのは変わらない」のコメントで急激な円高を牽制したが、効果は一時的なものだった。それよりゼーリック世界銀行総裁による「貿易収支黒字の国は為替介入の実施を控えるべきだ」とのコメントが材料視され、野田さんのコメントの効果を打ち消し、ドル円の反発を抑えた。
 金曜日早朝、白川日銀総裁により、「急激な円の上昇は日本の経済に影響を与える」、「通貨の切り下げ競争があるとは見ていない」、「どの国も自身の経済のために決定を下す」などのコメントが見られた。野田財務相もまた、「必要な時には介入含めて断固たる措置をとる」、「G7前後だろうか関係ない」など強力なコメントを出した。両氏のコメントに対して市場の反応が薄かったが、ドル円の下げは渋くなっているのが間違いない。
 今夜米雇用統計の発表次第、ドル円が一段と下落する可能性があるが、日本当局が動き出したら状況が一転する。日本当局がドル円相場に対してどこまで許すかは予測できないが、昨日から頻繁にコメントを出していることを考えると、今の水準よりさほどに離れていないはずだ。前回の介入が83円を割れたところで実施したが、今回は82円を割れたらどうかなりそうだね。

2010.10.7日 11:21更新

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