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W杯の経済への影響
地元時間11日夜、南アフリカワールドカップ大会は幕を下ろした。公表したデータにより、FIFA(国際サッカー連盟)が今大会で80億ドル以上の利益を上げたとのこと、FIFAW杯の歴史で最も収益が高い大会となり、前回のドイツ大会より30%多く稼いでいることが明らかになった。
ホスト国の南アフリカは、380億ランド(約49億ドル)の収益で、45億ドルという高額な拠出金を埋めた。さらに今大会は南アのGDPを0.5%以上押し上げると予想されている。一方、治安問題で観光客数の減少を懸念したが、南ア大会期間中の外国人訪問者数は40万人の見込みで、日韓ワールドカップの25万人を大きく上回っており、その消費支出は約20億ドルに達している。
雇用市場の面でも、南アフリカは深刻な失業問題を抱えているが、今大会は建設業やサービス業を中心に、13万人に及ぶ雇用を生み出した。もちろん大会が終われば元の状態に戻るかもしれないが、一時的に国民の収入を増加させるメリットを評価したい。
更に、これまで交通インフラの整備がほとんど進んでいなかった南アフリカだが、大会のために空港、道路、鉄道の整備が行われた。それは南アフリカの将来にとって大きな財産になると同時に、外国資本を呼び込むことも可能なのでメリットが非常に大きい。
ワールドカップがもたらした良い影響は南アフリカに止まらず、世界の国々に波及している。まず出場枠を一番持っているヨーロッパに消費支出の拡大をもたらした。特に決勝トーナメントに進出したドイツ、オランダ、スペイン、ポルトガル、イングランド、スロバキアでは、眠らない夜の連続でサービス業の売上を大幅に押し上げた。
専門家の計算により、ドイツがベスト4に進出したことで、GDPは0・1~0・3%の伸び率が期待できる。一方、スペインも優勝したことでそのGDPが少なくとも0・25%の伸び率が期待できるので、財政問題と失業率の高止まりで苦しんでいるスペインにとって多大な意味を持つだろう。決勝戦を生中継したマドリードテレビ局の株価が1日で5・4%の上げ幅を記録した。
日韓代表が共にベスト16で敗れたが、両国の企業がこの商機を逃がさず業績を大きく伸ばした。特にデジタルテレビ分野の大手のシャープ、東芝、パナソニック、ソニー、また韓国のサムスンにとって、「W杯特需」の効果は絶大、世界での販売量が増え、両国の輸出の拡大に繋がっている。
エコノミストの予測では、今回のW杯が日本に2,500億~3,000億円の経済利益をもたらす可能性があり、韓国では、消費支出の拡大は約11億ドル、企業の収益と合わせて約36.5億ドルの経済効果が期待できるそうだ。
2010.7.14日 9:52更新
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