為替勝力 フィリップFXブログ
ユーロは救われるか
ユーロの下落は思ったより素早く、18日にユーロドルは1.2237とここ4年の最安値を記録した。ユーロ安はユーロ圏国の輸出を促進するとよく言われるが、この急落がインフレ率の急上昇をもたらす懸念も高まっている。
銀行のエコノミスト達は、ユーロの下落が急激に進む場合、EUがユーロの崩壊を阻止するために為替介入をする可能性が高いと分析しており、ユーロ売りには大きなリスクが現れていることを顧客に伝えようとしている。
10年前、ユーロドル相場は0.83まで下落したところ、ECBが実質に介入した。それからユーロの上昇が早すぎる時に口先介入を何回もしたが、今度はユーロの下落具合次第、また実質に介入する可能性が出てきた。実は今のところで口先介入だけでも、ユーロショートの利益確定のきっかけとなりやすくて、金融市場に十分な衝撃を与えるはずだ。
ところがECBの実質介入が全然期待できないと指摘するエコノミストもいる。まず米国、日本、イギリスと同じように、ユーロ圏もユーロ相場が極端に異常な動きを取らない限り、(実質)介入の手を使わないと約束している。また昨年12月からユーロドルの下げ幅はほぼ20%に達しているが、そのレートは異常ではなく、ユーロが導入してからの平均レートよりやや低い水準に彷徨っているだけだという見解で介入の可能性を否定した。
今頃ユーロに有利な材料がただ一つ、それは欧州連合がユーロとユーロ圏経済に対する執念だ。18日のEU財務相会合でユンケル常任議長は、ユーロについて「信頼できる通貨だ」と強調した。また会合はEU加盟国の財政危機の再発防止とユーロ安定策について協議した。ユーロがこの報道を受け、4年ぶりの安値から反発したが、その力があまり強くない。やはりそれだけの努力では投資家のユーロに対する不安を払拭することはできなく、投資マネーがユーロから安全な資産に逃げることは止められていない。
2010.5.18日 10:14更新
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