為替勝力 フィリップFXブログ
欧州通貨の軟調が続きそうだ
ユーロ圏の債務危機に対応するために、ECBが新たな債券購入策を導入している。この購入策によりギリシャ、ポルトガル、スペイン、アイルランドなどの公債利回り率を低下する効果が期待できるが、そのディテールは公表されていないため、金融市場全体にどんな影響を与えるか予測できない。
一部のエコノミストは、ECBの措置が投機筋を助長する心配はないが、インフレ懸念でユーロの続落をもたらす可能性が高いと指摘している。これに対し、トリシェECB総裁は、ECBが全ての流動性を吸収すると明確に述べており、今年にインフレ率は上限に達することはないと示した。
また同氏は、ECBの債券購入は投機を抑制し、市場の正常な働きを回復することが目的として、FRBとBOEの債券購入は経済を刺激する狙いだから前提が違うと強調している。
まあ、新たな施策で債務問題が解決に向かっているとしても、金融緩和だから政策金利の切り上げはなお更期待できなくなってしまうので、ユーロの売り優勢はもうしばらく続きそうだ。
同じ欧州通貨のポンドだが、1945年以来始めての連立政権は火曜日に発足したことで、政治的リスクが低下し、ポンド相場が急上昇をもたらした。しかし水曜日、BOE四半期インフレ報告の内容により、インフレ期待は抑えられ、利上げ観測が大幅に後退した。
一方キングBOE総裁は、財政再建により景気回復のペースが鈍化する可能性を示唆し、金融政策委員会(MPC)は資産購入プログラムを増額する可能性を排除していないと指摘したことで、ポンド相場の上昇が急ブレーキをかけられ、ポンドドルの1.45割れが再度視野に入ってきた。
2010.5.13日 10:52更新
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