為替勝力 フィリップFXブログ
ドルがチャンスを待っている
週明けにドル円が14年ぶり84円台に突入したが、それから一気に86円台に戻され、今までじりじりと87円後半まで上がってきた。その背景にまず日銀臨時会議の決定とRBA金融会合の声明があり、それに投機筋の利益確定や株式市場の動向なども材料とされているようだ。総じてリスク資産が買われ、避難通貨が売られる展開となっている。昨日米国11月ADP雇用統計の発表は予想より悪かったが、先月の-19.5万より改善を見られたので、短期で円売りのサポートとなるが、今日と明日の指標で年末まで為替動向を決めるだろう。
まず欧州時間にユーロ圏第4四半期GDPの発表、第3四半期意外に0.4%のプラス成長を見せたユーロ圏GDPだが、金融と財政の両分野での改善により第4四半期もプラス成長が期待できそうだ。しかし9月から10月までインフレ率前年比は2ヶ月連続低下し、生産者物価指数も10ヶ月連続低下しているため、しばらくの間インフレの心配がまったく要らないようだ。だから現状ではECBにより政策金利の切り上げはまだ考えられない。
ところで今日ECB政策金利が発表されるが、異常がなければ据え置きになるので市場の反応が限定的だろう。肝心なのは金利発表後のトリシェECB総裁記者会見。彼がユーロ圏経済に対する評価及び見通しや、ユーロ相場に対するコメントなどを材料にされやすいので注意が必要だ。年末にかけてユーロドルが1.55台に到達できるがどうか、この記者会見の中身次第だろう。
そして決定的なのは明日米国の雇用統計、もしその結果が良ければ、ショートポジションが悩むほど溜まっているドルに一回ポジションを軽くするチャンスを与えるかもしれない。もちろんドル・インデックスがチャート上で相変わらず下向きだが、毎日信頼感指数(DSI)は非常に低いレンジで彷徨っており、むしろ底についた模様だ。一方、相対力指数(RSI)の押しが徐々に上昇する様子を確認できたので、短期でドル売りのパワーが衰えるように見える。テクニカルだけで分析すれば、ドル反発の可能性が十分あり、チャンスを待っているだけだ。そしてもし明日の発表で失業率が上昇しない上、非農業部門雇用者数が先月より増えれば、ドルがこのチャンスを逃さないだろう。
2009.12.3日 3:06更新
固定ページ
アーカイブ
- 2011年3月
- 2011年2月
- 2011年1月
- 2010年12月
- 2010年11月
- 2010年10月
- 2010年9月
- 2010年8月
- 2010年7月
- 2010年6月
- 2010年5月
- 2010年4月
- 2010年3月
- 2010年2月
- 2010年1月
- 2009年12月
- 2009年11月
- 2009年10月
- 2009年9月
- 2009年8月
- 2009年7月
- 2009年6月
- 2009年5月
- 2009年4月
- 2009年3月
- 2009年2月
- 2009年1月
- 2008年12月
- 2008年11月
- 2008年10月
- 2008年9月
- 2008年8月
- 2008年7月
- 2008年6月
- 2008年5月
- 2008年4月
- 2008年3月
- 2008年2月
- 2008年1月
- 2007年12月
- 2007年11月
- 2007年10月
- 2007年9月
- 2007年8月
- 2007年6月
- 2007年5月
- 2007年4月
- 2007年3月