FX取引では外国の指標や指数、または通貨の名称など普段の生活の中ではあまり耳にしないようなワードが多く聞かれます。
そこでこの記事では、FX、MT5関連キーワードを紹介し、内容の理解を深めていただくとともに、お取引に役立てていただけるようまとめています。
MT5では、豊富なテクニカル指標を駆使した高度な分析が可能です。
テクニカル指標の1つであるピボットは、サポートやレジスタンスを視覚的に把握し、トレードの判断材料に役立てることができます。
この記事では、MT5におけるピボットの表示方法や使い方までを分かりやすく解説します。
この記事からわかること
ピボットとは、1970年代にトレーダーであるJ・ウェルズ・ワイルダー・ジュニア氏が考案した計算式(後述)を元にしており、その計算結果をつないだラインをテクニカル指標として分析する手法が用いられています。
別名、「リアクション・トレンド・システム」とも呼ばれます。
ピボットは、前日の終値、高値、安値を基に計算されており、価格の節目となる7本のラインをチャートに表示します。
7本のラインを基準に、相場のサポート(支持)やレジスタンス(抵抗)のポイントを予測し、トレンドの反転や継続を判断する指標です。
MT5などのプラットフォームで表示可能で、特に短期トレードやデイトレードでよく利用されています。
ピボットは、前日の値動きを基準にしており、当日の相場のサポート(支持)やレジスタンス(抵抗)を予測できるという特徴があります。
中心ラインのピボットポイント(PP)は、その日の市場での均衡価格を表します。
その上に3つのサポートライン(S1、 S2、 S3)と、3つのレジスタンスライン(R1、 R2、 R3)が表示されます。
S3はLBOP(ローブレイクアウトポイント)、R3はHBOP(ハイブレイクアウトポイント)と呼ばれることもあります。
中心ラインであるピボットポイントと現在価格の位置を見て相場の方向性を確認し、買いまたは売りのタイミングを見極めます。
また、上下3本ずつ表示された線をもとに、価格の反発するポイントやトレンド継続のサインを見極めることが可能です。
ピボットの各ラインの具体的な計算式は以下の通りです。
中心線のピボットポイント(PP)は、前日の高値、安値、終値の平均で計算されます。
サポート(S1〜S3)とレジスタンス(R1~R3)は、中心線を基に価格の反転や目標値を示す重要な指標として機能します。
弊社では、高機能プラットフォームのMT5でお取引頂けます。
外部サイトからダウンロードをすることで、MT5からピボットを駆使した分析が可能です。
以下では、ピボットの具体的な活用方法について詳しく見ていきます。
ピボットの中心線であるピボットポイント(PP)は、相場の圧力(買い圧力や売り圧力)を確認する手段として利用できます。
ピボットポイントの上下の位置に注目することで、どちらの方向に売買が集中しているかが把握しやすくなります。
たとえば、価格がピボットポイントより上に位置している場合、買い圧力が強いと判断できます。
逆に、価格がピボットポイントより下にある場合は、売り圧力が強いといった、相場の方向性が確認可能です。
上図を見てみると、中心線のピボットポイント(黄色線)に対して、①の部分では価格が上方向に推移しているので、買い圧力が強い状態と判断できます。
対して、②の部分はピボットの中心線より価格が下方向に推移していることから、売り圧力が強い状態と判断可能です。
このように、ピボットポイントは相場のバランス点を示し、上昇・下降の圧力を視覚的に捉えることができるため、相場の流れを予測する重要な指標となります。
ピボットは、相場のサポートラインやレジスタンスラインとして活用できます。
ピボットのS1、S2、S3はサポートライン、R1、R2、R3がレジスタンスラインとして機能します。
トレーダーは価格が特定の水準に達した際に、逆張りの取引戦略を立てることが可能です。
例えば、価格がS1〜S3のサポートライン付近に来た場合、その水準で「逆張りで買い」のサインと判断できます。
S1〜S3は重要な支持帯とされ、ここで価格が反発する可能性があるためです。
同様に、価格がR1〜R3のレジスタンスライン付近に来た場合は、「逆張りで売り」のサインと判断できます。
R1〜R3抵抗帯となり、価格がこの水準で反転することが期待できるためです。
相場の転換点を狙う逆張りトレードに有効であり、リスク管理と併せて活用するとより効果的です。
また、R3、S3のラインは、R1〜R2、S1〜S2に比べて価格が一方方向へ大きく動いている状況を示すことから、反発のポイントではなく、トレンド継続のサインと判断する場合もあります。
ピボットは、デフォルトでMT5に搭載されている指標ではないため、外部からカスタムインジケーターをダウンロードする必要があります。
その後、ピボットをMT5に挿入し、チャートに適用して設定を行う流れです。
ピボットのダウンロードから設定までの手順を見ていきます。
MT5にピボットを表示させるには、まずピボットを外部サイトからダウンロードする必要があります。
インターネットで「MT5 ピボットインジケーター」と検索し、信頼性の高いサイトからファイルをダウンロードしてください。
MQL5のサイトでは無料のピボットインジゲーターが提供されているので、以下ではMQL5のサイトからダウンロードする手順を紹介します。
まず、MQL5のサイトから「ZIPとしてダウンロード」をクリックして、ZIPファイルをダウンロードしてください
ダウンロード後、MT5の「データフォルダを開く」をクリックします。
次に「MQL5」をクリックしてください
先ほどダウンロードしたピボットのインジゲーターをクリックしながら「Indicators」フォルダにドラッグ&ドロップしてください。
最後に、MT5を再起動することで、ピボットが使用可能な状態になります。
ピボットをMT5に追加した後は、チャートに適用して表示させます。
まず、MT5の「挿入」→「インディケータ」→「カスタム」の順にクリックします。
カスタムインジケーターの中から、先ほどMT5に挿入したピボットを選択してください。
MT5でピボットを選択した後は、チャートへ表示する前に各種設定を行います。
「カラー」の項目では、色や線の太さなども調整でき、視覚的に見やすいようにカスタマイズすることが可能です。
また、「表示選択」の項目では、ピボットを表示させる時間足が設定できます。
「すべての時間足で表示」にチェックを入れておけば、どの時間足を選択してもピボットの表示が可能です。
ピボットを表示させる時間足を指定したい場合は、特定の時間足のみチェックを入れます。
なお、ピボットはMT5に標準搭載された指標ではなく、外部サイトから提供された指標なので、提供元によっては設定項目が異なる場合もあります。
設定が完了したら、画面下の「OK」をクリックすることでチャート上にピボットが表示できます。
最後に、MT5でピボットを使う際の注意点を解説します。
ピボットはトレード戦略において重要な役割を担う優秀なインジゲーターですが、決して万能ではありません。
ピボットを使った分析を検討している方は、弱点についても理解したうえで使用するようにしてください。
ピボットは、相場がレンジ相場(一定の範囲内で価格が推移する状況)にある際に特に有効です。
しかし、強いトレンド相場(上昇または下降が一方向に続く状況)では、有効性が低下することがあります。
トレンド相場では、ピボットのサポートラインやレジスタンスラインが簡単に突破されることが多く、ピボットによる反転のシグナルが信頼できなくなります。
R3やS3のラインに関しては、トレンド継続のサインとして使用されるケースもありますが、反発してしまうケースもあるため、ピボットだけでのトレンド判断は難しいです。
そのため、トレンド相場ではピボットを基準に判断するのではなく、トレンド系の指標を併用し、相場の勢いを確認することが重要です。
ピボットポイントは、特に短期取引やデイトレードに適した指標であり、中長期的な取引にはあまり向いていません。
ピボットは、前日の高値、安値、終値を基にその日の重要な価格帯を示すため、翌日になると新たな価格帯でラインが表示されます。
中長期トレードでは、数日から数週間、あるいは数ヶ月にわたる価格変動を追う必要があるため、ピボットポイントだけでは相場の大きな動きを捉えにくいです。
中長期トレードでは、フィボナッチリトレースメントやエリオット波動などの他の長期的な指標や分析方法を併用することが推奨されます。
ピボットは便利なツールですが、単体での使用は危険です。
ピボットのみでトレード判断を行うと、誤ったエントリーをしてしまう可能性があります。
特に、価格がピボットのライン付近で反転しない場合や、急激なトレンド変動が起こる際には、ピボットだけでの対応が難しくなります。
そのため、他のテクニカル指標と組み合わせて使用し、相場の勢いの状態を確認することで、より正確なトレード判断を行うことができるようになります。
ピボットは、サポートやレジスタンスレベルを視覚的に表示し、相場の転換点を判断するための便利なツールです。
弊社が提供するMT5では、ピボットを活用してトレード戦略を強化できます。
また、弊社のMT5では、ピボットのような外部のインジケーターを自由に追加することが可能です。
MT5を使って、より効果的なトレード分析に役立ててください。