MT5ではEAのバックテストが簡単にできます。しかしバックテストの後、パフォーマンスのグラフを眺めるだけの方も少なくありません。バックテストの結果について、グラフ以外からもEAの性能を読み取ってみましょう。バックテスト後に表示される主要な数字について、取り上げて見方を解説します。
EAのバックテストを行った後、「バックテスト」タグからバックテストの結果について、様々な数字でEAの能力把握ができます。また「グラフ」タグで、EAのパフォーマンスをグラフで表示可能です。
「バックテスト」と「グラフ」の2つのタグ内容を見ることで、バックテストの結果が分かります。また、「バックテスト」タグの画面上で右クリックして「レポート」→「表示」で、バックテストの結果を「ストラテジーテスターレポート」として保存できます。
バックテストの結果分析は、MT5の画面から行うより、一度保存して広い画面で行うのが効率的といえるでしょう。下記がhtml形式で保存して表示させたストラテジーテスターレポートです。
ストラテジーテスターレポートにはバックテストの数字結果、パフォーマンスのグラフ、注文履歴などが表示されます。
実際のストラテジーテスターレポートを見てみましょう。先ほどのストラテジーテスターレポートは、MT5にデフォルトで付属のEA「Moving Average」を、USD/JPYの1時間足で2024年1月1日から2024年4月30日まで4ヵ月間のバックテストを行ったものです。下落が進むグラフで、取引を重ねるごとに資金は減るため、EAとしてはこのままの利用は困難という結果です。
結果部分で見るべき数字として、以下の7項目を取り上げました。
プロフィットファクターや期待利得がマイナスのEAは、そのままでは利益が出ないと判断できます。まだ最大連敗数が大きいEAは、期待利得などがプラスであっても、稼働を続けるメンタルストレスが高く取り扱いには注意が必要です。
パフォーマンスのグラフの下には、時間毎や週毎の取引分析の棒グラフが表示されており、取引タイミングの視点で分析する際は、本棒グラフが役立ちます。
今回のEAのパフォーマンスはマイナスです。ただし、月毎で見ると1月と4月は利益が出ており、1年を通して見ると、利益が出るEAとなる可能性も秘めています。
バックテストの後、ストラテジーテスターレポートの損益グラフが徐々に上昇するEAが理想的です。ただし短期の時間足になるとともに、徐々にマイナスが進むグラフとなることが多くなります。またマイナーな通貨ペアの取引でも、安定的にプラスのパフォーマンスとなるのは難しいといえるでしょう。
EA毎に推奨設定があるため、最初は推奨の設定でバックテストを行うべきです。その後、オリジナルの設定でバックテストを行う際は、長めの時間足かつメジャー通貨ペアで試すことが、良好なテスト結果を得る近道となります。
まずは様々なEAや設定でバックテストを行い、ストラテジーテスターレポート自体に慣れましょう。
FX雑誌『外国為替』の編集長。元FX攻略.com副編集長。
成功しているトレーダーや証券会社への豊富な取材経験を生かし、公正かつ独自性が高い執筆をモットーとしている。
また、個人投資家として、FX、海外株式、先物、暗号資産など、幅広いジャンルへの投資を行っている。