商品先物取引は証拠金取引です。したがって取引を行うには約定代金全額を支払う必要はなく、取引の証拠としてそのすべての代金の一部である証拠金を預託する必要があります。
お客様は商品先物取引で損失が発生した場合でも決済が履行できるように預けておく必要があり、また、新規の発注については当社の商品先物取引口座にあらかじめ証拠金を差入れ頂いた範囲内で、当社が定める証拠金所要額に基づき、注文が可能となります。
株式会社日本商品清算機構(JCCH)において、SPANⓇをベースとした証拠金制度が採用されています。JCCHが定めた証拠金を「取引証拠金維持額」といい、取引参加者は、JCCHが定める「取引証拠金維持額」以上の額で「委託者証拠金」を定めます。当社では、当該「委託者証拠金」を「証拠金所要額」といい、下記の計算式で算出しています。なお、SPAN証拠金は商品相場の状況等により適時見直しが行われますので、「証拠金所要額」は常に一定の金額ではありません。
当社が定める証拠金掛目は、SPAN証拠金に乗じることで証拠金所要額の算出に利用します。なお、当該掛目は、100%以上にて相場の変動等を考慮のうえ当社任意で設定するものとします。証拠金掛目変更時は、当社ホームページ等で証拠金掛目および変更日時を公表するものとします。
SPAN証拠金の計算は、全体のポートフォリオのリスク管理を行う前提のため、先物取引における両建て時においては、その売り、買いそれぞれのリスクを相殺します。当社では、先物両建て証拠金として、証拠金所要額の算出に加算します。計算式は下記のとおりです。
お客様が預託した証拠金(預り証拠金)の総額に、値洗損益金通算額および当日の決済取引によって生じた売買差損益金(お客様が支払うこととなる手数料および消費税を含む)を加減(益の場合は加算、損の場合は減算)した金額を「受入証拠金の総額」といいます。取引システムの画面で「受入証拠金の総額」を確認する場合は、「純資産」の金額をご参照ください。本書では以下「純資産」といいます。
建玉を維持するためには、この「純資産」が「取引証拠金維持額」を下回らないように、証拠金を預託しておく必要があります。なお、取引システムの画面で「取引証拠金維持額」を確認する場合は、「維持証拠金」の金額をご参照ください。ここでは以下「維持証拠金」といいます。
「純資産」が「維持証拠金」を下回った場合、証拠金不足が生じることになります。証拠金不足が生じた場合の不足額を「総額の不足額」といいます。「総額の不足額」は「純資産」が「証拠金所要額」を下回った額になります。
各取引日の取引終了後に、お客様の当日取引および全ての建玉の状況等に基づいて、受入証拠金の総額、取引所証拠金所要額を算出します。この結果、当社受入証拠金の額が、取引所証拠金所要額を下回った場合(当社受入証拠金<取引所証拠金所要額)には、お客様は、不足額以上の追加証拠金(以下、追証という)を差入れ又は預託する必要があります。
預り証拠金のうち、充用有価証券を除いた金銭の額が後述の「現金支払予定額 」を下回った場合にも、証拠金の不足が生じます。このときの不足額を「現金不足額」といいます。
「現金支払予定額」とは、「現金授受予定額 」がマイナスの場合の金額を言い、「現金授受予定額」とは、値洗損益金通算額および売買差損益金(未清算)を加減し、手数料(未清算)を差し引いた額をいいます。
証拠金不足額はこの「総額の不足額」または「現金不足額」のいずれか大きい額となります。
証拠金不足額の確定時間は、日中立会終了時の帳入値段をもって計算され、繰り越し処理終了をもって(おおよそ午後4時15分頃)確定します。
商品相場の変動により建玉の値洗が悪化して値洗損益金通算額がマイナスとなった場合や、建玉の決済により損金が発生した場合には、「純資産」が減少するため、証拠金不足が生じることがあります。その他に、商品相場の状況により「維持証拠金」の見直しが行われた場合にも証拠金不足が生じることがあります。
これらの場合に、建玉を決済せずに維持したまま取引を継続する場合には、不足の発生した日の翌営業日正午までに証拠金不足額以上の現金をご入金ください。また、「純資産」の全額を建玉に使用すると、予想と反対に相場が変動した場合、すぐに証拠金が不足することになりますので、資金の無理のない余裕を持ったお取引を心掛けください。
証拠金不足が期限までに解消されない場合、当社は任意でお客様の計算により保有する建玉の全てを強制決済することができるものとします。
なお、証拠金不足が生じた場合であっても、保有する建玉を決済し、売買差損金や発生した不足金を清算して取引を終了する場合には、追加の証拠金を預託する必要はありません。