【投資戦略ウィークリー 2025年2月3日号(2025年1月31日作成)】”トランプ復帰、日銀利上げ、DeepSeekショックも好機”
■トランプ復帰、日銀利上げ、DeepSeekショックも好機
- トランプ大統領就任とともに海外投資家の日本株買いが戻ってきた。1月第3週の投資部門別売買動向では、現物・先物合計で海外投資家の買い越し額が9306億円と4週間ぶりプラスとなった。年明け以降、新NISAの年間非課税投資枠が拡大すること、および日経平均株価が昨年7/11に史上最高値を付けたことに伴う制度信用取引の高値決済期日の到来もあり、日本株市場の需給改善が見込まれていた。そのような中で、トランプ大統領がダボス会議(世界経済フォーラム)で原油価格引き下げと政策金利引き下げを要求したことに加え、米国で製品を生産することを奨励したことはトランプ政権が米ドル安を志向しているシグナルとなった。
- 日銀は1/24に追加利上げを実施すると同時に、「景気に負の影響を与えない中立金利にまだ距離がある」とした。これは、緩和的な金融状況が続く中で日本経済が「物価と賃金の上昇の好循環」の道筋を辿るとの安心感を投資家に与えたように思われる。トランプ政権が米ドル安を指向する中で円高とともに賃金が上昇すれば、内需関連銘柄の出番となりやすい。折しも中国の春節に伴う訪日中国人客の増加によりインバウンド消費拡大が見込まれる。コメや野菜の値上がりで飲食関連銘柄は厳しい面がある一方、出張の際のホテル予約が困難となる事態が懸念されている。宿泊関連銘柄はホテル料金上昇と部屋不足の恩恵を受けそうだ。
- 賃料高騰は今後、ホテルから様々な不動産へと波及していく可能性がある。日銀の利上げ以降、銀行株と不動産株は連動して上昇するようになった点が注目される。投資口価格を純資産で割った「NAV倍率」から見た割安感が強まっているJ-REIT市場では、シンガポールのアクティビスト(物言う株主)である3Dインベストメント・パートナーズがNTT都市開発リート投資法人(8956)に対して、「安定的な分配が見込め、保有するポートフォリオが市場で割安に評価されている」としてTOB(公開買付)を実施した。新NISAにおける非課税の高配当利回り投資、および富裕層が不動産を売却した資金の受け皿としてもJ-REITへの注目が高まるだろう。
- 中国発の新興AI(人工知能)企業「DeepSeek(ディープシーク)」が開発した生成AIは、米エヌビディア(NVDA)製の高価なAI半導体に関連した需要とその利用に伴う電力消費やデータセンター需要の恩恵を受けると期待される銘柄に物色が偏っていた日本株市場への一時的なショックとなった。一方で、高性能AIを活用したデータ分析を行うシステムや「AIエージェント」などを活用した作業効率化による企業のDX(デジタル変革)に携わる企業はコスト低下による恩恵を受けられそうだ。日本株市場においては、これまで出遅れていたグロース銘柄への好機になると考えられる。(笹木)
本日号は、住友林業(1911) 、日本製紙(3863)、ANYCOLOR(5032)、福岡リート投資法人(8968)、クルン・タイ銀行(KTB)を取り上げた。
■主な企業決算の予定
- 2月3日(月):味の素、日本化薬、東日本旅客鉄道、東海旅客鉄道、中部電力、大塚商会、大阪ガス、村田製作所、小野薬品工業、住友化学、住友ベークライト、寿スピリッツ、三菱自動車工業、京セラ、ローム、ヤマトHD、みずほフィナンシャルグループ、マクニカHD、ほくほくフィナンシャルグループ、ヒロセ電機、ひろぎんHD、カゴメ、あおぞら銀行、PALTAC、JVCケンウッド、HOYA、ANAHD、(米)パランティア・テクノロジーズ、NXPセミコンダクターズ、アイデックスラボラトリーズ
- 2月4日(火):任天堂、日本航空、日鉄ソリューションズ、東京精密、綜合警備保障、双日、川崎汽船、住友電気工業、住友商事、三菱電機、三菱重工業、三菱UFJフィナンシャルグループ、三越伊勢丹HD、三井物産、三井化学、阪急阪神HD、群馬銀行、九州旅客鉄道、横河電機、レンゴー、ユー・エス・エス、パナソニックHD、ハウス食品グループ本社、ニフコ、ニチレイ、ちゅうぎんフィナンシャルグループ、イビデン、アステラス製薬、TIS、SANKYO、NTN、BIPROGY、(米)アムジェン、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、アルファベット、エレクトロニック・アーツ、モンデリーズ・インターナショナル、メルク、ペイパル・HD、ペプシコ、ファイザー、リジェネロン・ファーマシューティカルズ
- 2月5日(水):野村HD、芙蓉総合リース、日本郵船、日本電気硝子、日本酸素HD、日本光電工業、日本空港ビルデング、日清食品HD、東武鉄道、島津製作所、全国保証、丸紅、旭化成、ヤマハ、ミネベアミツミ、フジ・メディア・HD、ふくおかフィナンシャルグループ、バンダイナムコHD、トヨタ自動車、ダイセル、ダイキン工業、ジーエス・ユアサ コーポレーション、コンコルディア・フィナンシャルグループ、キッコーマン、エイチ・ツー・オー リテイリング、UBE、NOK、KDDI、JMDC、DMG森精機、(米)アーム・HD、メットライフ、コグニザント・テクノロジー・ソリューションズ、クアルコム、マイクロストラテジー、オライリー・オートモーティブ、フォード・モーター、ウォルト・ディズニー・カンパニー、オールド・ドミニオン、フレイト・ライン、エマソン・エレクトリック、CDW
- 2月6日(木):富士フイルムHD、浜松ホトニクス、日本製鉄、日本触媒、日本テレビHD、東洋製罐グループHD、東京地下鉄、東京エレクトロン、東ソー、帝人、長瀬産業、相鉄HD、住友不動産、参天製薬、三菱商事、三菱ケミカルグループ、栗田工業、協和キリン、花王、科研製薬、伊藤忠商事、ルネサスエレクトロニクス、ヤマダHD、メルカリ、ブラザー工業、フジテック、ニチアス、ニコン、ツムラ、スズキ、コニカミノルタ、コスモエネルギーHD、ゴールドウイン、ケーズHD、グローリー、カルビー、カドカワ、カカクコム、アズビル、TBSHD、NTTデータグループ、LINEヤフー、JFEHD、FUJI、(米)フォーティネット、テイクツー・インタラクティブ・ソフトウエア、マイクロチップ・テクノロジー、アマゾン・ドット・コム、フィリップ・モリス・インターナショナル、エクセル・エナジー、コノコフィリップス、リンデ、ハネウェル・インターナショナル、イーライリリー、ブリストル マイヤーズ スクイブ、アストラゼネカ
- 2月7日(金): 不二製油グループ本社、八十二銀行、日本電信電話、日本新薬、日産化学、東邦HD、東京センチュリー、東急不動産HD、大成建設、太陽誘電、川崎重工業、千葉銀行、神戸製鋼所、山口フィナンシャルグループ、三菱地所、三井不動産、五洋建設、兼松、共立メンテナンス、京阪HD、関西ペイント、めぶきフィナンシャルグループ、マツダ、ニプロ、ニッスイ、ニッコンHD、デンカ、テクノプロ・HD、ディー・エヌ・エー、テイ・エステック、ダスキン、ダイワボウHD、セブン銀行、セガサミーHD、スクウェア・エニックス・HD、シャープ、シップヘルスケアHD、サンケン電気、コロワイド、コムシスHD、エクシオグループ、エーザイ、エア・ウォーター、ウシオ電機、インターネットイニシアティブ、いよぎんHD、いすゞ自動車、SUMCO、SUBARU、SGHD、SBIHD、KOKUSAI ELECTRIC、IHI、H.U.グループHD、FOOD & LIFE COMPANIES、AGC
■主要イベントの予定
- 2月3日(月):
・08:50 日銀金融政策決定会合における主な意見(1月23・24日分)、09:30 auじぶん銀行日本製造業PMI(1月)、日銀の国債買い入れオペ
・中国本土市場、春節(旧正月)連休で休場 (4日まで、5日に取引再開)、米アトランタ連銀総裁が講演、米セントルイス連銀総裁がイベントで歓迎のあいさつ
・S&Pグローバル米製造業PMI(1月)、米自動車販売(1月)、米建設支出(12月)、米ISM製造業景況指数(1月)、ユーロ圏製造業PMI(1月)、ユーロ圏CPI(1月)、中国財新製造業PMI(1月)
- 2月4日(火):
・財務省の10年利付国債入札、08:50 マネタリーベース(1月)
・米アトランタ連銀総裁が講演、米サンフランシスコ連銀総裁がパネル討論会に参加、イスラエル首相が米大統領と会談(ホワイトハウス)
・米求人件数(12月)、米耐久財受注(12月)、米製造業受注(12月)
- 2月5日(水):
・技術承継機構が東証グロースに新規上場、08:30 毎月勤労統計-現金給与総額・実質賃金総額(12月)、09:30 auじぶん銀行日本複合・サービス業PMI(1月)
・米シカゴ連銀総裁が講演、米リッチモンド連銀総裁が討論会に参加
・米ADP雇用統計(1月)、米貿易収支(12月)、米ISM非製造業景況指数(1月)、ユーロ圏サービス業・総合PMI(1月)、ユーロ圏PPI(12月)、中国財新サービス業・総合PMI(1月)
- 2月6日(木):
・財務省の30年利付国債入札、08:50対外・対内証券投資 (1月26日-2月1日)、10:30 田村日銀審議委員が長野県金融経済懇談会講演(14:00 記者会見)、11:00東京オフィス空室率(1月)
・米ウォラーFRB理が講演、英中銀とメキシコ中銀が政策金利発表、米シカゴオートショー(シカゴ、6、7日がメディアプレビュー、8-17日が一般公開)
・米新規失業保険申請件数(2月1日週)、ユーロ圏小売売上高(12月)、独製造業受注(12月)
- 2月7日(金):
・日銀の国債買い入れオペ、08:30 家計支出(12月)、14:00 景気一致・先行CI指数(12月)
・インド中銀が政策金利発表
・米雇用統計(1月)、米ミシガン大学消費者マインド指数・速報値(2月)、米卸売在庫(12月)、米消費者信用残高(12月)、独鉱工業生産(12月)、中国外貨準備高(1月)
- 2月9日(日):
・エクアドル総選挙・大統領選挙、中国CPI、PPI(1月)、中国経済全体のファイナンス規模、新規融資、マネーサプライ(1月、15日までに発表)
(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)
※本レポートは当社が取り扱っていない銘柄を含んでいます。
■「DeepSeekショック」への感応度
中国の新興企業「DeepSeek」が低コストで開発した生成AI(人工知能)が台頭しつつあるとの報道を受けて27日の米株式市場ではAIインフラ関連とされる銘柄が軒並み売られた。高性能半導体への需要が減るとの懸念からエヌビディア(NVDA)やブロードコム(AVGO)等が大きく売られたほか、AI用データセンターによる電力需要に応えるため、廃炉が決まっていた原発を再稼働させると発表していたコンステレーション・エナジー(CEG)も大幅安となった。
ディフェンシブ株や消費関連株に買いが入ったほか、AI関連設備投資で出遅れたアップル(AAPL)、人事・財務のAIプラットフォームを運営するワークデイ(WDAY)や保険・金融業者向けデータ分析を行うべリスク・アナリティクス(VRSK)は低コスト生成AI活用の恩恵を受けると見込まれる。
【「DeepSeekショック」への感応度~ナスダック100より追い風銘柄と逆風銘柄】
■中国半導体関連と日本グロース株
中国の半導体および半導体製造装置に関連する上場企業から構成される「CSI全半導体&半導体製造装置指数」は、中国政府が昨年9/24以降に打ち出した景気刺激策、および米大統領選後に対中強硬派が勢いを増したことに伴う対半導体・半導体製造装置の国産代替の機運が高まったことを受けて上昇が加速。米半導体指数や日経平均株価が昨年夏以降に伸び悩むのとは対照的だ。DeepSeekの躍進もあり、中国が世界のAI半導体相場の主役を占めそうな勢いだ。
日本株市場では1/24の日銀による利上げ後、グロース銘柄への物色が活発になっている。その中心を占めるのが「AIエージェント」など人工知能(AI)の活用を事業の柱とする企業だ。これらの銘柄は出遅れからの水準訂正が期待される。
【中国半導体関連と日本グロース株~中国躍進と日本株AIグロース出遅れ】
■テレビ局の事業モデルに注目
テレビ業界で上場している民間キー局5社の株価は低PBR(株価純資産倍率)が続いている。その中でも、1/30終値でテレビ東京ホールディングス(9413)が0.90倍と最も高く、フジ・メディア・ホールディングス(4676)が0.55倍と最も低い。両社の事業セグメント構成を見ると、テレビ東京は営業利益に占めるアニメ・配信事業の構成比率が高く、ライセンス権利などIP(知的財産)の活用に注力していることで市場での評価を高めている。
フジは売上比率の高いフジテレビの営業利益が低水準の一方、営業利益の過半を不動産関連事業が占める。関連性の弱い事業を抱える多角化は「コングロマリット・ディスカウント」として企業価値に負の影響を与える可能性が高く、事業再編が焦点となる余地があるだろう。
【テレビ局の事業モデルに注目~フジ・メディアHDSとテレビ東京HDSの比較】
■銘柄ピックアップ
住友林業(1911)
5360 円(1/31終値)
・1948年設立。木を中心に川上から川下まで事業を展開。山林事業では日本国土の約900分の1を占める山林を保有。木材・建材流通事業と木造注文住宅事業はそれぞれ国内首位の売上高。
・10/31発表の2024/12期9M(1‐9月)は、売上高が前年同期比21.0%増の1兆4923億円、経常利益が同43.5%増の1429億円。米国戸建分譲住宅事業が好調に推移したことに加え、円安進行の影響もあり増収増益。主力の建築・不動産事業の経常利益が1172億円、うち米国住宅部門が1130億円。
・通期会社計画は、売上高が前期比20.9%増の2兆0950億円、経常利益が同21.1%増の1800億円、年間配当が同20円増配の145円。石破首相は1/24、衆参両院の本会議で施政方針演説を行い、地方創生を国づくりの核心に位置付けた。総合的な林業・木材産業施策として引き板を繊維方向が直交するよう積層された集成板(CLT)に言及。大規模木造建築物などの需要増が期待される。
日本製紙(3863)
887 円 (1/31終値)
・1949年に旧王子製紙の第二会社である十條製紙を継承。紙・板紙事業、生活関連事業、エネルギー事業、木材・建材・土木建設関連事業を主に展開。スコッティ、クリネックスなど家庭紙で知られる。
・11/6発表の2025/3期1H(4-9月)は、売上高が前年同期比0.1%増の5845億円、営業利益が同57.6%減の20億円。紙・板紙事業の需要減を輸出拡販で吸収し売上高横ばい。人件費・物流費上昇が響き営業減益。白老工場と八代工場の生産停止等に関連する特別損失で最終赤字123億円。
・通期会社計画は、売上高が前期比2.8%増の1兆2000億円、営業利益が同33.2%増の230億円。グラフィック用紙事業の生産体制再編成および事業構造転換に伴う特別損失および最終赤字が続く一方、八代工場での輸出向け家庭紙事業展開、および民間企業で全国2位(総面積9万ha)を保有する森林の資産価値が注目される。同社株価はPBR(株価純資産倍率)が1/30終値で0.21倍。
ANYCOLOR(5032)
3190 円(1/31終値)
・2017年設立後、2018年1月にVtuber(2Dまたは3Dのアバターを利用したバーチャル・ユーチューバー)グループ「にじさんじ」の始動を発表し、ライバー(動画配信活動を行う配信者)の募集を開始。
・12/11発表の2025/4期1H(5-10月)は、売上高が前年同期比12.0%増の173億円、営業利益が同4.3%増の67億円。2Q(8-10月)の事業別売上高は、ライブストリーミングが3%減の12.2億円、コマースが75%増の66.5億円、イベントが2.4億円(前年同期ゼロ)、プロモーションが24%増の17.8億円。
・通期会社計画は、売上高が前期比21.9%増の390億円、営業利益が同19.7%増の148億円、年間配当が65円(前期は無配)。志摩スペイン村は「にじさんじ」所属のバーチャルライバー(キャラクター)である周央サンゴさんとのコラボで成功を収めた。芸能人の醜聞リスクによるテレビ番組や広告への悪影響が懸念される風潮は、同社のIP(知的財産)関連権利ライセンス事業へ追い風だろう。
福岡リート投資法人(8968)
147100 円 (1/31終値)
・九州地域を主要投資対象とする地域特化型J-REIT。スポンサーも福岡地所を中心に九州電力、福岡銀行と九州有力企業で構成。オフィスと商業施設を中心に幅広い物件に投資する総合型リート。
・10/18発表の2024/8期(3-8月)は、営業収益が前期(2024/2期)比3.5%増の96億円、営業利益が同5.8%増の36億円、1口当たり分配金(利益超過分配金を含まない)が同1.1%増の3850円。昨年8月末運用状況は、商業施設10物件、オフィスビル13物件、その他12件。いずれも前期末比横ばい。
・2025/2期(9-2月)は、営業収益が前期(2024/8期)比5.7%増の102億円、営業利益が同15.6%増の42億円、1口当たり分配金が同1.3%増の3900円。2025/8期含む会社予想年分配金利回りは1/30終値で5.28%、株式のPBRに相当するNAV倍率は0.78倍。シンガポールの投資ファンドが1/28、NTT都市開発リート投資法人(8956)に対しTOB(公開買付)を発表。割安J-REITへ注目が高まりそうだ。
クルン・タイ銀行(KTB)
市場:タイ 23.40 THB (1/30終値)
・1966年に2つの国有銀行の合併により設立されたタイ王国財務省直営の国営商業銀行。タイ4大銀行(他はバンコク銀行、カシコン銀行、サイアム商銀)の一角。政府案件多く、税金出納の指定銀行。
・1/17発表の2024/12期4Q(10-12月)は、総営業収益が前年同期比3.0%増の383.94億THB、純利益が同71.4%増の104.75億THB。前年同期の1顧客における予想クレジット損失関連の影響を除く調整後純利益が同17.5%増益。預貸利ざや縮小が響き減収も、不良債権処理関連費用が減少した。
・同行はタイ政府が株式の過半数を所有および管理する半官半民の性格を有する。法人部門では政府系機関との関わりが深く、政府系プロジェクトに多く関与。タイ政府は1人当たり1万THBのデジタルウォレット支給(同行のアプリ「パオ・タン」が必要)に関し、昨年9月末までに第1弾として低所得者1240万人と障がい者250万人を対象に支給を完了。第2弾は60歳超の高齢者約400万人が対象。
■アセアン株式ウィークリーストラテジー
(2/3号「タイへの直接投資が大幅に拡大」)
タイ投資委員会(BOI)は2024年の投資申請総額が前年比35%増の1兆1385億THBだったと発表。電気自動車(EV)やプリント基板(PCB)関連を中心に中国企業からの投資が拡大し、データセンターへの大型投資も全体を牽引。投資総額のうち外国直接投資(FDI)は同25%増の8321億THB。国・地域別ではシンガポールが2.9倍の3575億THB、中国が10%増の1746億THB、香港も3.6倍の822億THBと続いたのに対し、日本は32%減の491億THBだった。産業部門別ではデータセンターやクラウドサービスなどデジタル部門への投資が2433億THBで首位。米中貿易摩擦など地政学リスクを背景に、中立的な国としてタイを選ぶ企業が増えていることがFDI拡大の要因に挙げられる。デジタル、半導体関連の工場で需要が高まっている再生可能エネルギーへの投資が増えることが見込まれる。
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アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部
笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。