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MT5コラム

 

どちらを使えばいい?MT4とMT5の違いを解説

FXの取引ツール(チャートソフト)として人気のMetaTraderシリーズ。日本ではMT4が長らく主流ですが、実はその後継であるMT5が登場してから10年以上が経過しています。開発元のMetaQuotes社はMT5の使用を推奨しており、世界中のFX業者が早々にMT5へ移行する中で、ようやく日本でもその流れが始まっています。そんな時流もあって、MT4からMT5への乗り換えを検討している人も多いのではないでしょうか?

そこでこの記事では、MT4とMT5の違いについて説明していきます。また、乗り換えを検討している人はもちろん、MetaTraderシリーズを扱ったことがない人にも分かりやすいようにまとめてみました。

 

1.そもそもMT4とは?

MT4は「MetaTrader4」の略称で、MetaQuotes社が開発した取引ツールです。日本国内でMT4を導入しているFX業者は数社しかありませんが、世界中のプロ、アマのFXトレーダーに愛用されているツールです。MT4が多くのトレーダーに支持されているのは、ただ取引できるだけではなく、他のツールにはない以下の特徴を有しているからです。

  • 自動売買プログラム(EA)の運用やバックテストが可能
  • デフォルトで30種類以上のインジケーターを搭載
  • カスタムインジケーターを使用できる
  • 描画ツールが豊富
  • CFD取引も可能

 

1-1.自動売買ソフト(EA)の運用やバックテストが可能

MT4はEA(Expert Advisor)と呼ばれる自動で取引してくれるプログラムを使用可能です。プログラムが24時間自動で取引してくれるので、裁量トレードとは異なりいついかなるチャンスも逃さず取引ができます。

また、プログラミングにより自分でEAを作成することも可能です。そのEAが過去の相場でどれくらいの利益を出せたのかバックテストでき、EAの検証やブラッシュアップが行えます。

 

1-2.デフォルトで30種類以上のインジケーターを搭載

MT4は非常に多くのインジケーター(テクニカル指標)を搭載しています。移動平均線やボリンジャーバンドなどの誰もが知るメジャーな指標から、CCIやアリゲーターのようなマニアックな指標も取り揃えています。

多くのインジケーターを搭載していることはもちろん、複数のインジケーターをチャート上に組み合わせて分析できることも人気の要因です。

 

1-3.カスタムインジケーターを使用できる

搭載されているインジケーターだけでなく、投資家個人が作成したオリジナルのインジケーター(カスタムインジケーター)の使用も可能です。自分で作ったり、他者が作ったカスタムインジケーターを使ったりすることで、トレードを有利に行うことができます。

インターネット上には、有志がアップロードした数百~数千種類ものカスタムインジケーターがあります。これらを使える拡張性の高さも、MT4の魅力の一つです。

 

1-4.描画ツールが豊富

トレンドラインや平行線といった基本的なラインはもちろん、フィボナッチ・リトレースメントやギャンラインなどチャート分析に有用な描画機能が充実しています。また、長方形や三角形の図形や矢印、コメントもチャート上に描けるため、自分なりの使いこなしができます。

 

1-5.CFD取引もMT4で可能

MT4を提供し、かつCFDを取り扱っているFX業者なら、通貨だけでなくCFDの取引も可能です。金や石油、ナスダックやS&Pといった株価指数などをチャート分析・取引できる点も大きなメリットです(取扱銘柄はFX業者による)。

 

2.MT5とは?MT4に新機能が追加された後継ツール!

続いて、MT5について解説しましょう。MT5は、MT4の後継として2010年にリリースされました。MT4の基本機能を引き継ぎながら新たな機能を追加しており、より取引や分析の利便性が向上しています。新機能は以下になります。

  • 表示できる時間足が増えた
  • ミニチャートが表示可能
  • ストップリミット注文が使える
  • チャートを独立して表示が可能

2-1.表示できる時間足が増えた

MT5は時間足の種類が増え、全部で21種類あります。3分足や10分足、20分足など、バリエーションが豊富です。時間足を切り替えたい場合は、チャート上で右クリックし、「時間足設定」から任意の時間足を選択すると切り替えられます。

表示可能な時間足
1分足、2分足、3分足、4分足、5分足、6分足、10分足、12分足、15分足、20分足、30分足、1時間足、2時間足、3時間足、4時間足、6時間足、8時間足、12時間足、日足、週足、月足

2-2.ミニチャートが表示可能

MT5ではチャート内にミニチャートを表示できるようになっています。例えば、1時間足のメインチャートに5分足と日足のミニチャートを表示して、下位足と上位足の動きを見るマルチタイムフレーム分析ができます。時間足や通貨ペアは自由に設定できるので、分析の幅が広がる新機能です。

2-3.ストップリミット注文が使える

MT5には「ストップリミット注文」という注文方法が追加されています。これは予約注文の1種で、指定した価格に到達すると指値注文が有効になる注文方法です。

例えば、「現在価格の100円から105円まで上昇したら、103円で買いたい」「現在価格の100円から95円に下落したら、98円で売りたい」と、一定の条件付きで押し目買いや戻り売りを狙いたい場合に活用できます。

 

2-4.チャートを独立して表示することが可能

MT5ではアプリケーション本体から、チャートを独立させて表示できます。例えば、モニター2枚にそれぞれ別々の通貨ペアや時間軸別のチャートを独立させて表示できるので、マルチディスプレイでの分析がしやすくなっています。

 

3.MT4とMT5の違いは?

「MT4とMT5は、どこがどう違うの?」と疑問を抱く人も多いでしょう。双方を比較した場合の主な違いは以下の点です。

  • MT4はサポート終了
  • MT5のほうが速く動作する
  • カスタムインジケーターの種類はMT4の方が多い
  • MT5はバックテスト機能が充実

3-1.MT4はサポート終了

MT4は一部ビルドがサポートを終了しています。現時点では、MT4が全く使えなくなることはなさそうですが、海外のFX業者を中心にMT5に移行しています。こういった流れもあるため、現在MT4を使用されている方はMT5への移行を検討してみても良いと思われます。

 

3-2.MT5のほうが速く動作する

MT5はMT4よりも動作が速いです。MT4の32ビットに対してMT5は64ビットと、MT5の方が情報処理能力が高いため、サクサクと動きます。たくさんの通貨ペアを同時に監視したい、スキャルピングで取引したい、多くのバックテストをしたいなどといった要望がある人は、動作が軽いMT5に移行した方が良いといえるでしょう。

 

3-3.カスタムインジケーターの種類はMT4の方が多い

MT4、MT5は共に標準装備されているインジケーターが30種類を超えています。ただし、カスタムインジケーターに関しては、リリース日が古いMT4の方が圧倒的に豊富です。MT4のカスタムインジケーターはMT5では使えない(互換性がない)ため、カスタムインジケーターを使う目的で未だにMT4を選択する人も多いです。

今後はMT5が普及するにつれて、MT5用のカスタムインジケーターも増えてくるでしょうが、現時点ではMT4に一日の長があります。

 

3-4.MT5はバックテスト機能が充実

MT5はMT4よりもバックテストの機能が充実しています。「可視化」「フォワード最適化」「市場スキャン」などが追加され、より一步踏み込んだテストが可能になりました。

ただし、カスタムインジケーターと同様に、MT4のEAはMT5では使えません。また、MT5で使えるEAの数は、現段階では少ないという側面もあります。

 

4.まとめ

MT5はアップデートが行われ日々進化しています。一方で、EAやカスタムインジケーターの数はMT4の方が圧倒的に多いため、それらを使いたい人にとっては、まだまだMT4の方が使いやすいでしょう。ただし、MT5が普及していくにつれて、EAやカスタムインジケーターの数も増えていくと予想されます。Meta Quotes社がMT5に注力していることと、機能面も考慮すると、「MT4を絶対に使いたい」という強いこだわりがない人以外はMT5に移行した方が快適にトレードできるかもしれません。

フィリップ証券では、MT5を提供しています。FXに加えてCFDも取り扱っており、トレード対象資産の幅を広げたい人にはうってつけです。デモトレードを提供しているので、まずはこちらでMT5に触れてみてはいかがでしょうか。

以上